## アウグスティヌスの告白の原点
###
執筆の背景
397年、アウグスティヌスはヒッポ・レギウスの司教に就任して間もない頃に、自らの半生を振り返り、神への信仰に至るまでの道のりを記した『告白』を執筆しました。
###
回心の体験
アウグスティヌスは386年、ミラノの庭園で「tolle lege, tolle lege.（取り上げて読め、取り上げて読め）」という子供の声を聞き、偶然開いた聖書の言葉に衝撃を受け、キリスト教への回心を経験しました。
『告白』は、この劇的な回心の体験を軸に、それまでの放埓な生活、マニ教への傾倒、哲学的探求などを赤裸々に描き出しています。
###
神への賛歌と信仰告白
『告白』は、単なる回心記ではなく、神の導きと恩寵への深い感謝と、三位一体論や原罪論といったキリスト教神学の重要な教義についての考察が展開されています。
アウグスティヌスは、自らの経験を通して、人間の罪深さ、自由意志の限界、神の愛と救済の偉大さを訴えかけ、読者を信仰へと誘います。