アインシュタインの平和書簡の関連著作
バートランド・ラッセル「戦争論」
1938年に出版された本書は、哲学者であり数学者、そして平和主義者でもあったバートランド・ラッセルが、戦争の原因と、戦争を回避するための方法について考察したものです。アインシュタインはラッセルの平和主義活動に共感し、ラッセル=アインシュタイン宣言に署名しています。この宣言は、核兵器の開発によって人類が直面する脅威を警告し、科学者に対して国際的な協力と平和構築への積極的な参加を呼びかけるものでした。
アンドレ・ジッド「ソヴィエト旅行記」
1936年に出版された本書は、フランスの作家アンドレ・ジッドがソビエト連邦を訪問した経験を記したものです。当初は共産主義に共感を抱いていたジッドですが、スターリン体制下の現実を目の当たりにし、その全体主義的な支配体制に失望し批判しました。アインシュタインはジッドの勇気ある告発を支持し、彼に宛てた手紙の中で、自由と正義のために闘うことの重要性を訴えています。
カール・フォン・クラウゼヴィッツ「戦争論」
1832年に出版された本書は、プロイセンの軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツが自身の戦争経験に基づいて執筆した軍事戦略論です。戦争の本質を「政治の延長」と捉え、戦争の目的、戦略、戦術などを分析しています。アインシュタインはクラウゼヴィッツの「戦争論」を研究し、その洞察力を高く評価していました。しかし、アインシュタインは、クラウゼヴィッツの時代には存在しなかった核兵器の出現により、戦争はもはや政治の延長としては遂行できないものになったと確信していました。