ヴォルテールのカンディードの話法
語りにおける視点
『カンディード』は三人称全知の語りによって進行します。語り手は登場人物たちの思考や感情を知っており、出来事に関する情報を自由に読者に提供します。
風刺とアイロニー
ヴォルテールは風刺とアイロニーを駆使して、楽観主義や宗教、貴族社会など、当時の社会通念を批判しています。
* **誇張:** 登場人物や状況を誇張して描くことで、滑稽さを際立たせ、批判対象を明確にしています。例えば、パン glossaire の一件は、人間の愚かさを風刺的に表現した一例です。
* **皮肉:** 登場人物の発言や行動と、その結果が全く逆になることで、読者に現実の不条理を突きつけます。例えば、カンディードが「最善の世界」を求して旅をするも、次々と不幸に見舞われる様子は、楽観主義に対する痛烈な皮肉となっています。
簡潔で明快な文体
ヴォルテールは簡潔で明快な文体を用いることで、風刺の効果を高め、読者が容易に物語に引き込まれるように工夫しています。 短い文章や的確な描写によって、テンポ良く物語が展開されます。
対話
『カンディード』では、登場人物たちの対話が重要な役割を果たしています。 対話を通して、それぞれの思想や信条が明確になり、物語のテーマが浮かび上がってきます。 また、風刺やアイロニーの効果を高める手段としても、対話が効果的に用いられています。