## ワルラスの純粋経済学要論の案内
レオン・ワルラスとその時代
レオン・ワルラス(Léon Walras, 1834-1910)は、フランスの経済学者であり、限界革命の中心人物の一人として知られています。彼は、一般均衡理論の創始者として、近代経済学に多大な影響を与えました。
純粋経済学要論の概要
1874年に初版が出版された『純粋経済学要論』(Éléments d’économie politique pure)は、ワルラスの主著であり、彼の経済学体系の集大成と言える著作です。本書においてワルラスは、数学的手法を用いることで、市場経済における資源配分のメカニズムを解明しようと試みました。
主要な内容
『純粋経済学要論』は、大きく分けて以下の三つの部分から構成されています。
* **第一部:純粋交換論**
* ここでは、まず財の交換価値がどのように決定されるのかを分析します。ワルラスは、需要と供給が一致する点において価格が決定されるとする、限界効用理論に基づいた分析を展開しました。
* **第二部:生産論**
* この部分では、生産要素の投入と財の産出の関係、そして生産要素の価格決定のメカニズムについて論じられます。
* **第三部:資本化と貨幣**
* ここでは、資本蓄積と利子率の関係、そして貨幣の役割について分析がなされます。
一般均衡理論
ワルラスの最も重要な貢献は、一般均衡理論を構築したことです。これは、複数の市場における需要と供給が同時に均衡状態になることを示す理論です。ワルラスは、この均衡状態を数学的な方程式系を用いて表現し、その解が存在することを証明しようと試みました。
後世への影響
『純粋経済学要論』は、その後の経済学、特にミクロ経済学の発展に大きな影響を与えました。ワルラスの一般均衡理論は、現代経済学においても市場メカニズムを理解するための基礎的な理論となっています。