## ワイルドの獄中記の原点
獄中での執筆
オスカー・ワイルドは、1895年5月から1897年5月まで、レディング監獄とワンズワース監獄で「卑猥な罪」により懲役刑に服していました。「獄中記」はこの期間に書かれた膨大な文章が元になっています。
書簡という形式
ワイルドは獄中で手紙を書くことを許されていましたが、検閲を受けていました。彼は親友のロバート・ロスに宛てて長文の手紙を書き、その中で自身の苦しみや、彼を陥れたとされるアルフレッド・ダグラス卿への複雑な感情、そして刑務所制度への批判などを綴りました。
獄中記の出版
出所後、ワイルドはこの手紙をロバート・ロスに託しました。ロスはワイルドの意向を汲み、1905年に一部を抜粋し、「De Profundis(深淵より)」というタイトルで発表しました。その後、1962年に完全版が出版され、現在では「獄中記」として広く知られています。