## ワイルドのサロメの原点
聖書におけるサロメの物語
オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の物語の原点は、新約聖書のマタイによる福音書14章とマルコによる福音書6章に記されているサロメの物語です。聖書によると、サロメは、ヘロデ・アンティパスとその異父兄弟フィリポスの妻ヘロディアスの娘として登場します。ヘロデはヘロディアスとの結婚をヨハネに非難され、ヨハネを捕らえていました。
ヘロデの誕生日の宴とサロメの踊り
ヘロデの誕生日の宴で、サロメはヘロデとその客人の前で踊りを披露します。ヘロデはサロメの踊りに大いに喜び、望みのものを何でも与えると約束します。
ヨハネの首を求めるサロメ
サロメは母ヘロディアスの唆しに従い、ヘロデにヨハネの首を銀の盆に載せて持って来るように要求します。ヘロデは自分の誓いと客人の手前、サロメの望みを叶え、ヨハネは処刑されます。
ワイルド以前の文学作品におけるサロメ
ワイルドの戯曲以前にも、サロメの物語は多くの芸術作品、特に絵画や文学作品の題材として扱われてきました。例えば、ギュスターヴ・モローの絵画「出現」では、ヨハネの首から発せられる幻影に怯えるサロメの姿が描かれています。また、ステファヌ・マラルメの詩「エロディアード」は、サロメの視点から物語を語り直し、ヨハネへの歪んだ愛情を描いています。