ロビンソンの資本蓄積論の表象
表象：蓄積と利潤率の傾向
ジョーン・ロビンソンの主著『資本蓄積論』(1956年)は、古典派経済学の伝統を受け継ぎ、資本主義経済における資本蓄積、経済成長、所得分配の関係を分析したものです。ロビンソンは、この著作において、資本蓄積の過程が内包する矛盾と不安定性を、利潤率の動向という観点から明らかにしようと試みました。
表象：不完全競争とマークアップ
ロビンソンは、完全競争市場を前提とした新古典派経済学の分析方法を批判し、現実の資本主義経済における企業行動をより適切に捉えるために、不完全競争市場の分析枠組みを導入しました。彼女は、企業が市場において価格支配力を持つと想定し、企業が費用に一定の利潤を加算する「マークアップ」によって価格を設定すると考えました。
表象：賃金率と資本蓄積
ロビンソンは、賃金率が資本蓄積に与える影響について、独自の視点を提示しました。彼女は、賃金率の上昇が必ずしも消費需要の拡大に繋がるとは限らず、企業の投資意欲を減退させ、資本蓄積を阻害する可能性があると指摘しました。