## レーニンの国家と革命の話法
###
マルクス・エンゲルスからの引用の多用
レーニンは本書において、マルクスとエンゲルの著作から多数の引用を行っています。これは、自らの主張がマルクスの理論に基づいたものであることを明確にし、読者に対して権威付けを行うためと考えられます。特に、パリ・コミューンに関するマルクスとエンゲルの評価を引用することで、プロレタリア独裁と国家の死滅という概念の正当性を主張しています。
###
論敵への痛烈な批判と嘲笑
レーニンは本書の中で、自らの主張に反対する思想家や政治家に対して、痛烈な批判と嘲笑を浴びせています。特に、第二インターナショナルの指導者たちや、カウツキーのような修正主義者たちに対しては、”裏切り者”、”ブルジョアジーの手先”といった言葉を用いて、徹底的に攻撃しています。これは、読者に対して、自らの主張の正しさとともに、敵対勢力の誤りを強く印象付ける効果を狙ったものと考えられます。
###
平易な言葉と比喩の活用
レーニンは、難解な概念を説明する際に、平易な言葉や比喩を効果的に用いています。例えば、国家を「ブルジョアジーによるプロレタリアート抑圧のための暴力装置」と定義したり、「国家の死滅」という抽象的な概念を、国家機構が不要となる社会の状態として具体的に説明したりしています。これは、複雑な理論を一般大衆にも理解しやすい形で提示することを目的としたものと考えられます。