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レヴィ=ストロースの野生の思考の世界

## レヴィ=ストロースの野生の思考の世界

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野生の思考とは

レヴィ=ストロースは、著書『野生の思考』の中で、西洋近代社会の思考様式である「文明化された思考」に対比させて「野生の思考」という概念を提唱しました。野生の思考とは、未開社会の人々の思考様式を指すものではなく、人間であれば誰もが根源的に持ち合わせている認識能力を指します。それは、論理や科学的思考とは異なる、具体的な事物や現象を相互に関連付け、全体的な秩序を見出そうとする思考様式です。

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ブリコラージュ

レヴィ=ストロースは、「野生の思考」の特徴を説明するために、「ブリコラージュ」という概念を用いています。ブリコラージュとは、限られた素材や道具を駆使して、その場に応じた方法で問題を解決する、いわば「器用仕事」のようなものです。

野生の思考は、ブリコラージュのように、既成の概念や理論にとらわれず、具体的な事物や現象を組み合わせ、新たな意味や秩序を生み出します。この思考様式は、神話や儀礼、分類体系など、様々な文化現象に見出すことができます。

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構造主義と野生の思考

レヴィ=ストロースは、構造主義という立場から、人間の思考や文化の背後にある普遍的な構造を明らかにしようとしました。野生の思考もまた、人間の思考の根底にある普遍的な構造の一つと捉えられています。

彼は、野生の思考は、具体的な事物や現象を二項対立的に捉え、それらを組み合わせたり、反転させたりすることで、複雑な意味を生み出すと論じました。この二項対立の操作は、文化を超えて共通して見られるものであり、人間の思考の普遍的な構造を示唆していると考えられています。

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