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ルソーの学問芸術論の対極

## ルソーの学問芸術論の対極

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「百科全書、あるいは科学・芸術・技術の体系的辞典」

ルソーの『学問芸術論』の対極に位置する歴史的名著として、まず挙げられるのは、ディドロとダランベールが編集を主導した「百科全書、あるいは科学・芸術・技術の体系的辞典」(以下、「百科全書」)でしょう。

『学問芸術論』が、学問や芸術の進歩がむしろ道徳の堕落を招いたと批判し、自然状態への回帰を理想として提示したのに対し、「百科全書」は、啓蒙主義の理念に基づき、人間理性の力で知識を体系化し、広く普及させることを目指しました。

「百科全書」は、当時のあらゆる知識を網羅的に収録し、科学技術から哲学、歴史、芸術まで、幅広い分野を扱っています。その内容は、伝統的な権威や偏見にとらわれず、理性に基づいた客観的な視点で記述されました。

また、「百科全書」は、知識の普及を通じて社会を改革しようという明確な意図を持っていました。当時の社会に蔓延していた迷信や偏見を打破し、人々を啓蒙することで、より良い社会を実現できると考えたのです。

このように、「百科全書」は、学問や芸術の進歩を積極的に評価し、知識の普及こそが社会進歩の原動力になるとする点で、『学問芸術論』とは全く異なる立場に立っています。

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