ルクセンブルグの資本蓄積論を読んだ後に読むべき本
###
帝国主義論
レーニンの『帝国主義論』は、ルクセンブルクの『資本蓄積論』から派生した重要な論点を深く掘り下げ、資本主義の分析に新たな視点を提供する作品です。ルクセンブルクが資本主義の不可避的な崩壊を論じたのに対し、レーニンは資本主義が帝国主義という新たな段階へと移行することで生き延びる可能性を示唆しています。
レーニンは、資本主義の高度な発展段階において、生産の集中と資本の集中が進み、巨大な独占資本が形成されると主張します。この独占資本は、国内市場ではもはや十分な利潤を得ることができなくなり、新たな市場と投資先を求めて海外進出を加速させます。これが帝国主義の原動力となります。
『帝国主義論』では、帝国主義の特徴として、資本の輸出、世界の分割と再分割、列強による植民地支配などが挙げられています。レーニンは、これらの特徴が資本主義の矛盾を先鋭化させ、戦争や革命の危機をもたらすと結論付けています。
ルクセンブルクは、資本主義が非資本主義圏との関係を通じてのみ存続可能であると主張しましたが、レーニンは帝国主義という形で資本主義が世界全体を包摂することで、この問題を克服できると考えました。しかし、レーニンも帝国主義が資本主義の最終段階ではなく、社会主義革命への前段階であると見ていました。
『帝国主義論』は、ルクセンブルクの分析を発展させながら、20世紀初頭の帝国主義の時代における資本主義のダイナミズムを鋭く分析した作品です。ルクセンブルクの議論をより深く理解するためには、レーニンの視点も合わせて検討することが不可欠です。