ルイスのナルニア国物語の原点
ルイスの幼少期と神話・ファンタジーへの傾倒
C.S. ルイスは、1898 年アイルランドのベルファストで生まれました。幼い頃から、彼は神話や伝説、ファンタジーの世界に強い興味を抱いていました。特に、ベアトリクス・ポターの作品や、北欧神話、ギリシャ神話などに親しんでいました。これらの物語は、彼の想像力を大いに刺激し、後年のナルニア国物語の創作にも影響を与えたと考えられています。
キリスト教信仰とナルニア国物語
ルイスは青年期に無神論に傾倒していましたが、29 歳のときにキリスト教に回心しました。この経験は、彼の作品全体に大きな影響を与えており、ナルニア国物語もその例外ではありません。物語には、キリスト教の思想や倫理観が色濃く反映されています。例えば、アスランはキリストを象徴する存在として描かれており、自己犠牲や愛、救済といったテーマが重要な要素となっています。
戦争体験と空想の世界
第二次世界大戦中、ルイスは疎開してきた子供たちのために自分の家で読み聞かせを行っていました。この経験が、ナルニア国物語の着想につながったと言われています。彼は子供たちに楽しんでもらえるような、同時に教訓も織り交ぜた物語を創作したいと考えていました。戦争という厳しい現実の中で、空想の世界は子供たちにとって希望を与え、心を癒すものであったと考えられます。