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リストの政治経済学の国民的体系からの学び

## リストの政治経済学の国民的体系からの学び

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国民経済の発展段階論

リストは、一国の経済発展を段階的に捉え、それぞれの段階に適した経済政策が存在すると考えました。具体的には、未開状態、牧畜状態、農業状態、農工業状態、そして工業状態という5つの段階を提示しました。

リストは、当時のイギリスのようにすでに工業化を達成した国家と、ドイツのような発展途上の国家では、取るべき経済政策が異なると主張しました。そして、発展途上の国家は、国内産業を保護し育成するために、保護貿易政策や政府による積極的な介入が必要であると説きました。

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生産力の重視

リストは、一国の真の富は貴金属の保有量ではなく、生産力であると主張しました。生産力とは、労働力、資本、技術、教育などを総合的に駆使して、財やサービスを生み出す能力のことです。

リストは、自由貿易はすでに高い生産力を持つイギリスのような国にのみ有利であり、発展途上の国が自由貿易を採用すると、イギリスの安価な工業製品に市場を奪われ、国内産業が育たないまま、イギリスの経済的従属国に転落してしまうと主張しました。

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国民経済の概念

リストは、国家の経済活動を「国民経済」として捉え、個々の経済主体の利益の総和にとどまらない、国家全体の長期的な発展を重視しました。これは、当時のイギリスで主流であった、アダム・スミスの自由放任主義的な経済理論とは大きく異なる点でした。

リストは、国民経済の観点から、国内産業の保護や育成、交通網や教育制度の整備など、政府が積極的に経済活動に関与することの重要性を強調しました。

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