ランケの世界史の秘密
ランケの「世界史」とは？
レオポルト・フォン・ランケ（1795-1886）は、19世紀ドイツの歴史家です。彼は近代歴史学の父と称され、その著作はヨーロッパのみならず世界中の歴史学に多大な影響を与えました。彼が晩年に着手し、未完に終わった大著「世界史」は、古代エジプトから15世紀末までを扱っています。
「世界史」の特徴
ランケは「世界史」において、特定の民族や国家に偏ることなく、各時代・各地域の個性を重視する歴史記述を目指しました。彼は、各時代・各地域にはそれぞれの「理念」が存在し、歴史はこの「理念」が展開していく過程であると考えました。
史料批判と客観性
ランケは、歴史研究においては一次史料の批判的な分析が不可欠であると強調しました。彼は、史料を批判的に吟味し、事実を正確に把握することによってのみ、客観的な歴史記述が可能になると考えました。
「世界史」の影響
「世界史」は、ランケの死後も彼の弟子たちによって編集・出版され続け、歴史学研究に大きな影響を与えました。彼の歴史観は、その後の歴史学研究の基礎となり、多くの歴史家に受け継がれました。