## ライプニッツのモナドロジーの感性
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モナドと表象
ライプニッツのモナドロジーにおいて、世界は無限に存在するモナドと呼ばれる単純な実体から構成されています。モナドは物質的なものではなく、精神的な実体であり、それぞれが独自の内的活動、つまり「表象」を持っています。この表象は、外部からの影響ではなく、モナド自身の内部で生じるものです。
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知覚と欲求
モナドの表象は、大きく「知覚」と「欲求」の二つに分けられます。知覚とは、モナドが他のモナドの状態を、それ自身の中に反映させることです。ただし、モナドは窓のない密室のようなものであり、直接的に他のモナドと相互作用することはできません。それぞれのモナドは、世界のすべてを知覚するのではなく、あらかじめ定められた独自の視点から世界を知覚します。
欲求は、ある知覚から別の知覚へと変化しようとするモナドの内的衝動です。この欲求によって、モナドの表象は絶えず変化し続け、世界は動的に展開していきます。
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感性の段階
モナドはそれぞれ異なる明晰さと混雑度を持つ知覚を持っています。この違いが、モナドの感性の段階を生み出します。
単純なモナドは、例えば植物のように、非常に曖昧で混雑した知覚しか持ちません。このようなモナドは、主に無意識的な欲求に突き動かされます。
より高度なモナド、例えば動物は、より明晰な知覚を持ち、感覚や感情を持つことができます。動物のモナドは、過去の知覚を保持する「記憶」を持つことができ、より複雑な行動パターンを示します。
人間は、理性を持つモナドであり、最も明晰で明瞭な知覚を持ちます。人間は自己を意識し、普遍的な真理を認識することができます。
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予定調和
ライプニッツは、モナドは互いに直接作用し合うことはないと述べています。しかし、神は世界を創造する際に、それぞれのモナドの表象が、まるで時計の歯車のように、完全に調和するようにあらかじめ設定しています。これを「予定調和」と呼びます。
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感性と神の完全性
ライプニッツは、神は完全な存在であり、世界を創造する際に、可能な限り最大の多様性と完全性を追求したと主張します。モナドの感性の段階は、この神の完全性を反映したものであり、世界に豊かさと多様性をもたらしています。