## ライプニッツのモナドロジーの対称性
### モナドの同一性と差異性における対称性
ライプニッツは、モナドを「単純実体」と定義し、それぞれが独自の内的原理に基づいて存在するとしました。モナドは分割不可能であり、相互に影響を与え合うことはありません。このことから、すべてのモナドは互いに異なり、それぞれが独自の視点を持つという点で差異性が生まれます。
一方で、モナドはすべて「表象」という機能を持ちます。表象とは、外部世界を反映する能力です。ただし、モナドは直接的に相互作用しないため、表象は神によってあらかじめプログラムされたものとなります。このことから、すべてのモナドは世界の全体像をそれぞれの視点から反映するという点で同一性が生まれます。
### モナドと宇宙の関係における対称性
モナドはそれぞれが閉じた世界であると同時に、宇宙全体を反映しています。これは、個々のモナドが全体と部分の関係にあることを示しています。
ライプニッツは、宇宙を「可能な限り最大の多様性と可能な限り最高の秩序を両立させる」ものと定義しました。個々のモナドはそれぞれ独自の存在でありながら、神の定めた調和に基づいて全体を構成しています。
このことから、モナドと宇宙の関係は、部分と全体、多様性と統一性という対称性を示していると言えます。
### モナドと神の認識における対称性
ライプニッツは、神を唯一の無限のモナドと見なしました。神はすべてのモナドを創造し、その表象をあらかじめ定めています。
個々のモナドは有限な視点から世界を認識しますが、神は無限の視点からすべてのモナドと世界の全体像を認識しています。
このように、モナドと神の認識は、有限と無限という対称性を示しています。