ユスティニアヌスのローマ法大全の話法

法大全は、ユスティニアヌス帝の勅令によって編纂されたローマ法の膨大な集成です。その構成要素の一つに、「ディジェスタ」と呼ばれるものがあります。これは、古代ローマの著名な法学者たちの著作から抜粋された法文を体系的にまとめたものです。

法大全の編纂にあたり、ユスティニアヌス帝は、法の専門家だけでなく、一般の人々にも理解しやすい表現を用いるよう指示しました。そのため、法大全の文章は、古典的なラテン語の文体とは異なり、比較的平易な語彙や文法が用いられています。

東ローマ帝国では、ギリシャ語が広く話されており、ユスティニアヌス帝自身もギリシャ語を母語としていました。そのため、法大全のラテン語には、ギリシャ語の影響を受けた表現が見られることがあります。