モンテスキューの法の精神が関係する学問
政治学
モンテスキューの『法の精神』（1748年）は、近代政治思想の古典であり、政治学に多大な影響を与えた著作です。彼の思想は、権力分立論、法の支配、自由の保障など、現代の民主主義国家の基礎となる概念を提示しました。特に、権力を立法権、行政権、司法権の三つに分立し、相互に抑制と均衡を図るという権力分立論は、専制政治を防ぎ、自由と権利を守るために不可欠な原則として、現代の多くの国の憲法に採用されています。
歴史学
モンテスキューは歴史研究にも深い関心を持ち、『ローマ盛衰原因論』（1734年）などの著作を残しています。彼は歴史を単なる出来事の羅列としてではなく、政治体制や社会構造、気候風土といった要因との関連で捉え、歴史から学ぶことの重要性を説きました。彼は『法の精神』においても、様々な国の歴史や政治制度を比較分析し、それぞれの社会に適した法や政治のあり方を考察しています。
法学
『法の精神』という書名からも分かるように、モンテスキューの思想は法学にも大きな影響を与えました。彼は、法を人間の理性によって作り出されたものではなく、それぞれの社会の歴史、風土、慣習などに基づいて形成されるものと捉えました。そのため、普遍的に妥当する理想的な法制度というものは存在せず、それぞれの社会に適した法が存在すると考えました。彼のこのような法思想は、法の相対主義の先駆けとして評価されています。