ミルの自由論の表象
表象対象： 言論・出版の自由
ジョン・スチュアート・ミルは、『自由論』において、政府が個人の思想や表現の自由を制限することを強く批判しています。 ミルは、たとえその意見が間違っていると考えられる場合でも、言論や出版の自由は最大限に保障されるべきだと主張しました。
根拠： 誤謬可能性と部分的真実
ミルの主張の根拠として、以下の二点が挙げられます。
* **人間の誤謬可能性:** 人間は誤りやすい存在であるため、ある意見が間違っていると決めつけることは危険です。
* **部分的真実:** 誤った意見であっても、部分的な真実を含む可能性があります。反対意見を封じることは、この部分的な真実を見失うことに繋がります。
自由の制限がもたらす害悪
ミルは、言論や出版の自由に対する制限が、社会全体に深刻な害悪をもたらすと主張しました。主な害悪として、以下の点が挙げられます。
* **真理探求の阻害:** 自由な議論がなければ、真理に到達することが難しくなります。
* **思想の硬直化:** 反対意見を排除することで、既存の思想が固定化し、社会の発展が阻害されます。
* **活気のない社会:** 自由な議論がなければ、社会は活力を失い、停滞してしまいます。
適用範囲： 他者に危害を加える行為
ただし、ミルは、全ての言論や行為の自由を無制限に認めていたわけではありません。 他者に直接的な危害を加える行為は、自由の範囲を超えるものとして、政府による制限を認めています。