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マクルーハンの人間拡張の原理の美

## マクルーハンの人間拡張の原理の美

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メディアは人間の拡張である

マーシャル・マクルーハンは、著書「メディア論」の中で「メディアは人間の拡張である」という有名なテーゼを提唱しました。これは、衣服、車、電灯といった技術だけでなく、文字、印刷、ラジオ、テレビといったメディアもすべて、人間の身体機能の拡張として捉えるという考え方です。例えば、車は足の拡張、電話は耳と声の拡張と言えるでしょう。

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拡張は感覚の麻痺をもたらす

マクルーハンは、メディアによる人間の拡張は、一方で感覚の麻痺をもたらすと指摘しました。特定の機能が拡張されると、私たちはそれを当然のものとして意識しなくなり、その感覚は麻痺していくというのです。例えば、文字という視覚メディアの普及は、聴覚や触覚といった他の感覚を麻痺させたと考えられます。

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美は感覚の均衡状態から生まれる

マクルーハンは、人間の感覚は本来、均衡を保つように働いていると説明します。特定の感覚だけが突出すると、他の感覚がそれを補償するように働くのです。そして、この感覚の均衡状態こそが、美を生み出す源泉であるとマクルーハンは考えました。

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新しいメディアは感覚の均衡を再構築する

新しいメディアが登場すると、既存の感覚のバランスが崩れ、新たな均衡状態が生まれます。例えば、活版印刷という視覚メディアの登場は、それまでの聴覚中心の文化を大きく変え、新たな均衡状態を生み出しました。

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メディアの美は感覚の再構築にある

マクルーハンは、メディアの美は、この感覚の再構築のプロセスそのものにあると論じました。新しいメディアは、感覚の麻痺と再均衡を通じて、私たちの認識の枠組みを変化させ、世界の見方を刷新する。そこにこそ、メディアの美の本質があるとマクルーハンは考えたのです。

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