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マインエッケの近代史における国家理性の理念と言語

## マインエッケの近代史における国家理性の理念と言語

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国家理性

フリードリヒ・マイネッケ(1862-1954)は、近代ヨーロッパ史における「国家理性(Staatsräson)」という概念の発展を分析したことで知られています。彼は、主著『近代史における国家理性の理念』(1924-25)において、中世から18世紀にかけて、国家が独自の倫理的・法的拘束から解放され、独自の「理性」に基づいて行動するようになる過程を明らかにしました。

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マキャベリと国家理性

マイネッケは、ニッコロ・マキャベリを国家理性の概念の重要な転換点として位置づけています。彼によれば、マキャベリは『君主論』において、従来のキリスト教的な道徳観念にとらわれず、国家の維持と拡大のためにはいかなる手段を用いることも正当化されると主張しました。このことは、国家が道徳や宗教を超越した独自の論理を持つことを示唆しており、後の国家理性論の萌芽となりました。

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国家理性の言語

マイネッケは、国家理性の概念が発展する過程で、それを表現するための独自の「言語」が形成されたことを指摘しています。例えば、「均衡」、「勢力」、「利益」といった言葉は、国家間の関係や外交政策を説明する上で不可欠な用語となりました。これらの言葉は、国家を擬人化し、あたかも人間のように思考し行動するかのように表現することを可能にしました。

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国家理性の諸問題

マイネッケは、国家理性という概念が内包する問題点についても言及しています。彼によれば、国家理性の論理は、しばしば個人の権利や自由を犠牲にすることを正当化するために利用されてきました。また、国家間の対立や戦争を激化させる可能性も孕んでいます。

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マイネッケの史観

マイネッケは、「国家理性」という概念を用いることで、近代国家の形成と発展を分析しました。彼は、近代国家が、道徳や宗教といった従来の価値観から自律し、独自の論理に基づいて行動するようになる過程を明らかにしました。しかし、彼は同時に、国家理性のもつ危険性についても警鐘を鳴らしています.

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