## マイネッケの歴史主義の成立
ランケの影響
マイネッケの歴史観は、彼の師であるレオポルト・フォン・ランケの影響を強く受けています。ランケは、史料批判に基づいた客観的な歴史記述を目指し、「過去をありのままに」描くことを主張しました。マイネッケもまた、歴史家の主観や価値観を排し、史料に基づいて歴史を再構成することに努めました。
個体性と発展
しかし、マイネッケはランケの歴史観をさらに発展させました。彼は、歴史における個々の出来事や人物の「個体性」を重視し、それぞれが唯一無二の存在であると考えました。そして、歴史はこのような個体性の連続と相互作用によって展開していくものと捉えました。
歴史法則の否定
マイネッケは、歴史を貫く普遍的な法則や目的の存在を否定しました。彼は、ヘーゲルのような歴史哲学が、歴史を特定の理念を実現するための過程として捉えることに対して批判的でした。マイネッケにとって、歴史は予測不可能で、偶然性に満ちたものでした。
国家の有機体的発展
マイネッケは、国家を個体と同様に、独自の個性を持ち、歴史の中で有機的に発展していく存在だと考えました。彼は、国家の形成と発展を、政治制度、経済構造、文化などの多様な要因が複雑に絡み合った結果として捉えました。
歴史研究における厳密性
マイネッケは、歴史研究における厳密さと客観性を重視し、史料批判の方法を重視しました。彼は、歴史家は過去の出来事に対して、現代の価値観や偏見を持ち込むべきではないと主張し、可能な限り客観的な視点から歴史を記述しようとしました。
これらの要素が組み合わさり、マイネッケ独自の歴史主義が形成されました。