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マイネッケの歴史主義の成立の批評

## マイネッケの歴史主義の成立の批評

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客観主義と相対主義

マイネッケの歴史主義、特にその中心概念である「歴史的個体」の捉え方については、客観主義と相対主義の観点から多くの批判が寄せられてきました。

客観主義の立場からは、マイネッケが歴史家の主観的な解釈を重視しすぎるあまり、歴史認識の客観性や普遍性を軽視しているという批判があります。彼らが問題視するのは、マイネッケが歴史を「個性的」な出来事の連続と捉え、普遍的な法則性を見出そうとしない点です。

一方で、相対主義の立場からは、マイネッケが歴史的個体の「内的価値形式」という概念を用いることで、ある種の客観性や普遍性を回復しようとしている点が批判の対象となります。

相対主義者は、あらゆる歴史認識は時代や立場によって相対的なものであり、マイネッケが想定するような「内的価値形式」を客観的に把握することは不可能だと主張します。

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政治との関係

マイネッケの歴史主義は、その政治的な含意についても多くの議論を巻き起こしてきました。

彼の思想は、ナチスによるドイツ民族の優越性や国家主義を正当化する論理として利用されたという批判があります。

しかし、マイネッケ自身はナチスを支持しておらず、彼の思想が歪曲して解釈されたという反論もあります。

さらに、マイネッケの思想は、国家や民族といった共同体の重要性を強調する一方で、個人の自由や権利を軽視する傾向があるという批判もあります。

一方で、マイネッケは個人の自由と国家の権力の調和を重視しており、彼の思想を単純に全体主義的であると断定することはできないという反論も存在します。

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方法論

マイネッケの歴史研究の方法論についても、批判的な意見が挙げられます。

彼は歴史家の直観や共感を通じて歴史的資料を解釈することを重視しましたが、その方法が客観性に欠け、恣意的な解釈に陥りやすいという批判があります。

また、マイネッケが歴史研究において政治史を重視する一方で、経済や社会構造といった要素を軽視しているという指摘もあります。

これらの要素を軽視することで、歴史を動かす根本的な要因を見落としているという批判です。

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