ボワソナードの刑法草案註解の対極
ボワソナード刑法草案と日本の伝統的な法思想
「ボワソナードの刑法草案註解」は、フランス人法学者ギュスターヴ・エミール・ボアソナードが明治時代に起草した刑法草案の解説書です。この草案は、フランス刑法典を基に作成され、近代的な法典として高く評価されています。一方、当時の日本には、江戸時代以前から続く伝統的な法思想や慣習が存在していました。
伝統的な法思想を色濃く反映した「刑法義解」
ボワソナードの刑法草案註解の対極に位置する歴史的名著として、「刑法義解」が挙げられます。これは、明治時代の法学者、山田三良によって著された刑法典の解説書です。山田三良は、日本の伝統的な法思想を重視し、ボアソナードの草案に対して批判的な立場をとっていました。
「刑法義解」の内容と特徴
「刑法義解」は、儒教道徳や日本の慣習を重視し、刑罰の適用においても情状酌量の余地を大きく認めるべきだとする立場をとっています。これは、西欧的な近代法の考え方をそのまま日本に導入することに対する批判として、当時の法曹界に大きな影響を与えました。
「刑法義解」の歴史的意義
「刑法義解」は、日本の伝統的な法思想を近代法の中にどのように位置づけるかという問題提起を投げかけました。これは、その後の日本の法学の発展に大きな影響を与え、現代においても重要なテーマとなっています。