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ボブリンスキーのパレオアジアの位置づけ

ボブリンスキーのパレオアジアの位置づけ

ボブリンスキーのパレオアジアとは

ロシアの言語学者ニコライ・ボブリンスキー(1890-1964)が提唱した、ユーラシア大陸に広く分布する言語の系統仮説。「パレオアジア諸語」とも呼ばれる。

ボブリンスキーの仮説

ボブリンスキーは、従来アルタイ語族に分類されてきたチュルク語族、モンゴル語族、ツングース・満州語族に加え、日本語族、韓国語族、アイヌ語、ギリヤーク(ニヴフ)語、ユカギール語などを含む大規模な語族を想定した。

仮説の根拠

ボブリンスキーは、上記言語間に見られる、以下の共通点を根拠とした。

* 形態論:接辞を用いた膠着的な言語構造
* 統語論:主語-目的語-動詞の語順
* 音韻論:母音調和の現象

現在の学界における評価

ボブリンスキーのパレオアジア仮説は、現在では多くの言語学者に支持されていない。その理由は、

* 共通点として挙げられた特徴は、類型論的に広く観察されるものであり、必ずしも遺伝的な関係を示すものではない
* 音韻対応規則などの、系統関係を証明するために必要な厳密な比較言語学的手法が欠如している

などが挙げられる。

その後の研究

ボブリンスキーのパレオアジア仮説は否定されたものの、ユーラシア大陸における言語の系統関係については、現在も活発な研究が行われている。例えば、

* アルタイ語族仮説:チュルク語族、モンゴル語族、ツングース・満州語族の系統関係
* 日本語・韓国語の起源:日本語族と韓国語族の関係、および他の語族との関連性
* アイヌ語、ギリヤーク語、ユカギール語の系統的位置づけ

など、多くの未解明な問題が残されている。

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