ベーコンの新機関と時間
ベーコンの新機関
フランシス・ベーコンの主著『新機関』(Novum Organum, 1620年)は、経験論的な科学的方法を提唱し、スコラ哲学の論理偏重を批判した書として知られています。
時間と新機関
『新機関』において、時間は直接的に主要なテーマとして扱われていません。ベーコンは、アリストテレスの四原因論(質料因、形相因、作用因、目的因)を批判し、自然現象を探求する上で、形相因と目的因を排除しようとしました。
時間概念の欠如
ベーコンは、自然の法則を発見するために、観察、実験、帰納法を重視しました。彼は、自然現象を時間軸に沿って分析するよりも、むしろその背後にある法則性や因果関係を明らかにすることに重点を置いていました。
時間と帰納法
ベーコンの帰納法は、膨大な観察データの蓄積を必要とします。このデータ収集は、必然的に時間をかけて行われる活動です。しかし、『新機関』において、 ベーコンはデータ収集にかかる時間や、時間経過が観察結果に与える影響について、具体的な言及はしていません。