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ベネディクトの文化の型の対極

ベネディクトの文化の型の対極

マルクス主義の唯物史観

ルース・ベネディクトの『文化の型』は、文化相対主義を基盤とした文化人類学の古典として知られています。文化を、それぞれ独自の価値観や行動様式を持つ独立した全体として捉え、普遍的な尺度で評価することを避ける立場です。

一方、ベネディクトの文化の型の対極に位置する歴史的名著として、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが共同で著した『共産党宣言』を挙げることができます。『共産党宣言』は、マルクス主義の唯物史観に基づき、歴史を階級闘争の歴史として捉え、資本主義社会の矛盾と必然的な崩壊、そして共産主義社会への移行を説いています。

唯物史観は、物質的な生産様式が社会構造や文化、意識を規定するという考え方を示しており、文化を独立した変数として扱うベネディクトの立場とは対照的です。マルクス主義は、文化をイデオロギーとして捉え、支配階級が自らの支配を正当化するために作り出したものであると批判的に分析します。

例えば、『共産党宣言』では、宗教、道徳、哲学などの観念的な領域も、物質的な生産関係の反映として解釈されます。

普遍的な法則性と歴史の発展段階

『文化の型』は、文化の多様性を強調し、それぞれの文化を独自の文脈の中で理解することの重要性を訴えています。文化を相対的に捉えることで、偏見や差別を克服し、異文化理解を深めることを目指しています。

対照的に、マルクス主義は、歴史の発展には普遍的な法則性があると主張します。唯物史観に基づき、原始共産制、奴隷制社会、封建制社会、資本主義社会、そして最終的な共産主義社会という歴史の発展段階を提示し、それぞれの社会形態における生産関係と階級闘争の構造を分析します。

マルクス主義は、資本主義社会における階級対立を克服し、生産手段の社会的所有と平等な社会を実現することを最終的な目標として掲げています。

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