Skip to content Skip to footer

ベネディクトの文化の型と時間

## ベネディクトの文化の型と時間

###

ベネディクトの文化相対主義

ルース・ベネディクトは、文化人類学者として、20世紀前半に活躍しました。彼女は、文化を「伝統的な行動と思考様式の、全体としての一貫したまとまり」と定義し、それぞれの文化はその独自の論理と価値観を持つと主張しました。これは、文化相対主義と呼ばれる立場です。

###

文化における時間の捉え方

ベネディクトは、著書『文化の型』の中で、文化ごとに時間に対する認識や態度が大きく異なることを指摘しました。彼女は、文化を時間に対する態度に基づいて、大きく二つの型に分類しました。

* **アポロ型文化:** 未来への展望を持ち、計画性や進歩を重視する文化。時間を直線的に捉え、過去から未来へと一定方向に流れていると考える。
* **ディオニュソス型文化:** 現在を重視し、自然との調和や精神的な充足を求める文化。時間を循環的に捉え、過去と現在と未来が絶えず繰り返されると考える。

ベネディクトは、これらの文化の型はあくまでも相対的なものであり、優劣をつけるものではないことを強調しています。それぞれの文化は、独自の時間の捉え方に基づいて、独自の価値観や行動様式を形成しているというわけです。

###

ベネディクトの文化相対主義と時間観念の限界

ベネディクトの文化相対主義は、それぞれの文化を尊重し、多様性を認める上で重要な視点を提供しました。しかし、現代社会においては、グローバリゼーションや異文化交流の進展により、異なる文化が複雑に絡み合っています。そのため、単純な二分法で文化を捉えることには限界があるという指摘もあります。

また、時間に対する認識も、時代や社会の変化、個人の経験などによって大きく影響を受ける可能性があります。ベネディクトの時代と比較して、現代社会における時間の流れは加速しており、人々の時間感覚も変化している可能性は否定できません。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5