## プルタークの英雄伝の表現
伝記としての特徴
プルタークの『英雄伝』は、古代ギリシャ・ローマ時代の著名な政治家や軍人を対比的に描く伝記文学です。各巻は原則としてギリシャとローマの英雄を一人ずつ取り上げ、最後に二人の比較を付け加えるという構成をとっています。
描写の特徴
『英雄伝』は歴史書ではなく、あくまで英雄たちの生き様を通して後世の人々に倫理的な模範を示すことを目的としています。そのため、プルタークは政治や軍事の描写よりも、人物の性格や逸話、内面描写に重点を置いています。
文体
プルタークは簡潔で明快な古典ギリシャ語を用い、劇的な表現や修辞技法を駆使して生き生きとした人物描写を行っています。また、雄弁家としても知られていたプルタークは、登場人物たちの演説を多く引用し、臨場感溢れる描写を実現しています。