## プリゴジンの混沌からの秩序から得られるもの
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プリゴジンによる複雑系の探求
本書は、ロシア生まれのベルギーの物理学者イリヤ・プリゴジンによる、非平衡熱力学、特に散逸構造の研究を基にした著作です。プリゴジンは、本書において、従来の物理学、特に古典的な熱力学が、平衡状態にある閉鎖系を前提としてきたことを指摘し、現実世界に見られるような、開放系における非平衡状態こそが、生命現象を含む複雑な現象を生み出す源泉であると主張します。
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散逸構造と自己組織化
プリゴジンは、非平衡状態にある開放系において、外部とのエネルギーや物質のやり取りを通じて、秩序だった構造が自発的に形成されることを示しました。この秩序だった構造は、「散逸構造」と呼ばれ、生命体や対流などのように、エネルギーの流れが存在する限り維持されます。
プリゴジンは、散逸構造の形成を「自己組織化」と呼び、生命の起源や進化、さらには社会システムの形成など、複雑な現象を理解するための新たな視点を提供しました。
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時間と不可逆性
古典的な物理学では、時間は可逆的なものとして扱われてきました。しかし、プリゴジンは、非平衡熱力学の視点から、時間の不可逆性を強調します。散逸構造は、時間の流れの中で形成され、維持され、そして崩壊していくものであり、その過程は不可逆的です。
プリゴジンは、時間の不可逆性が、進化や歴史といった、一方向に進む変化を理解する上で重要な概念であることを示唆しました。
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