## プラトンの国家の主題
正義とは何か
「国家」は、古代ギリシャの哲学者プラトンによって書かれた対話篇であり、その中心的なテーマは「正義」です。ソクラテスを語り手として、様々な登場人物と対話を重ねる中で、個人と国家における正義の本質が探求されていきます。
理想国家の構想
プラトンは、正義を個人の中にのみ探求するのではなく、国家という大きな枠組みの中で捉えようとします。そこで、彼は対話の中で理想国家を構想します。この理想国家では、人々はそれぞれが生まれ持った能力に応じて、「生産者」「守護者」「指導者」の３つの階級に分けられ、それぞれの役割を果たすことで、調和のとれた社会が実現するとされます。
魂の三区分説
プラトンは、人間の魂もまた、理性、気概、欲望という３つの部分から成り立っていると主張します。そして、この魂の三区分説は、理想国家の３つの階級と対応付けられています。すなわち、理性を司る哲学者が「指導者」、気概を持つ軍人が「守護者」、欲望に左右されやすい民衆が「生産者」に対応するのです。
哲人王の統治
プラトンは、真の知識である「イデア」を認識することができる哲学者こそが、国家を統治するにふさわしいと考えています。なぜなら、哲学者だけが、永遠不変の真理に基づいて、国家を正しく導くことができると考えるからです。このような考えに基づき、プラトンは理想国家の指導者として「哲人王」を提唱します。