プラトンのメノンの秘密
メノンにおける問いの探求
プラトンの対話篇「メノン」は、徳とは何か、そしてそれが教えられるものかどうかという、一見単純な問いから始まります。メノンは、ソクラテスとの対話の中で、徳に関する様々な定義を試みますが、いずれもソクラテスの鋭い指摘によって論破されてしまいます。
想起説の登場
議論が行き詰まったところで、ソクラテスは、人は生まれながらにしてあらゆる知識を持っているという「想起説」を導入します。彼は、メノンの奴隷少年に幾何学の問題を解かせることで、少年が自ら答えを導き出す様子を示し、知識は想起によって得られると主張します。
徳は知識であるのか?
想起説に基づけば、徳もまた知識の一種であり、想起によって獲得できることになります。しかし、対話の最後で、ソクラテスは、真の徳は、神的な賜物である可能性を示唆します。結局、「メノン」は、明確な結論に至ることなく終わります。
残された謎
「メノン」は、プラトンの他の対話篇と同様に、多くの謎を残しています。 徳の定義、想起説の真意、そしてソクラテス自身の立場など、読者は様々な解釈を試みることができます。