プラトンのティマイオスのメカニズム
宇宙の創造
ティマイオスの中で、プラトンは宇宙の創造について、デミウルゴスと呼ばれる神的な職人によって形作られたという説を提示しています。デミウルゴスは、永遠で不変のイデア(形相)をモデルとし、それらを混沌とした質料に刻印することで、秩序ある宇宙を創造したとされます。
魂と身体の構成
プラトンは、魂を身体よりも上位の存在と考え、宇宙の創造と同様に、デミウルゴスによって創造されたと説明しています。魂は、存在、同一性、差異の三つの要素から成り立っており、宇宙の構造を反映した球形をしています。
一方、身体は、火、空気、水、土の四元素から構成されており、これらの元素は、プラトン立体と呼ばれる幾何学的な図形に対応しています。火は正四面体、空気は正八面体、水は正二十面体、土は正六面体に対応し、これらの図形は、互いに変換可能な性質を持つとされます。
感覚のメカニズム
ティマイオスでは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が、どのようにして働くのかについても考察されています。例えば、視覚は、目から発せられる「純粋な火」と、太陽光などの外部の光が相互作用することで生じると説明されています。他の感覚についても、それぞれに対応する元素の運動や相互作用によって説明されています。
天体の運動
プラトンは、宇宙の中心に地球があり、その周りを太陽、月、惑星、恒星が回転しているという地球中心説を採用しています。しかし、ティマイオスでは、これらの天体の運動を、単なる物理的な現象として説明するのではなく、魂の運動と関連付けています。プラトンは、天体にも魂が宿っており、その魂の運動によって天体が規則正しく運行していると主張しています。
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