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プラトンのゴルギアスの周辺

## プラトンのゴルギアスの周辺

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執筆年代と対話篇の位置づけ

「ゴルギアス」篇の正確な執筆年代は不明ですが、一般的に中期対話篇に分類され、ソクラテスの弁明、クラテュロス、メノン、エウテュプロンといった作品とほぼ同時期に書かれたと考えられています。中期対話篇では、ソクラテス独自の哲学が展開され始め、特に徳や魂といった倫理的な問題が中心的なテーマとなります。「ゴルギアス」篇もまた、修辞学というテーマを通して、正義や善といった倫理的な問題を深く掘り下げた作品です。

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登場人物と舞台設定

「ゴルギアス」篇の舞台は、アテネの裕福な市民カリクレスの邸宅です。登場人物は、

* **ソクラテス**: プラトンの師であり、対話篇のほとんどで主要な議論を担う人物。
* **ゴルギアス**: 当時最も有名な修辞学者の一人。
* **ポロス**: ゴルギアスの弟子で、若く熱心な修辞家。
* **カリクレス**: アテネの裕福な市民で、政治にも関心を持つ。

などが挙げられます。

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議論のテーマ

「ゴルギアス」篇では、主に以下のテーマについて議論が展開されます。

* **修辞学の本質と価値**: ソクラテスは、ゴルギアスやポロスとの対話を通して、修辞学が真の知識に基づかない、単なる言葉の技巧に過ぎないと批判します。
* **正義と不正**: ソクラテスは、不正を行うことよりも、不正を受けてそれを正すことの方が良いと主張し、一般的な価値観に疑問を投げかけます。
* **魂の幸福**: ソクラテスは、真の幸福は、魂の善、すなわち正義を追求することによってのみ得られると主張します。

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「ゴルギアス」篇の影響

「ゴルギアス」篇は、古代ギリシャにおける修辞学に対する批判的な視点を提供しただけでなく、倫理学、政治哲学といった分野にも大きな影響を与えました。特に、ソクラテスの主張する「不正を行うことよりも、不正を受ける方が良い」というテーゼは、後の西洋哲学においても繰り返し議論の的となっています。

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