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フレーベルの人間の教育の発想

## フレーベルの人間の教育の発想

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1. 神の恩寵と人間の内的本質

フレーベルは、人間は生まれながらにして神から与えられた「内的本質」(inner law)を持っていると考えました。この内的本質は、神の形象としての人間が、神に近づくために自ら成長・発展していく力、すなわち「自己展開」の原理として捉えられます。フレーベルは、教育の目的を、この内的本質を自覚的に開花させ、神と世界と調和した人間を育成することとしました。

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2. 活動性と表現による自己展開

フレーベルは、子どもが内的本質に従って自発的に活動し、周囲の世界と関わりながら自己を表現することを重視しました。子どもは遊びを通して、内的世界を外に表現し、外界の事物を取り入れて内面化することで、自己を成長させていきます。フレーベルは、子どもの自発的な活動としての遊びを「神の恩寵」と捉え、教育において最も重要な活動と位置付けました。

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3. 恩物による直観と象徴

フレーベルは、子どもの内的世界と外界とを媒介し、直観的な認識を促すために、「恩物」(Gifts)と呼ばれる教材を考案しました。恩物は、球や立方体といった単純な幾何学的形態を基礎としたもので、子どもはこれらを操作し、構成したり分解したりする過程を通して、形、数、空間といった概念を直観的に理解していきます。また、恩物は単なる事物ではなく、神や自然、人間の活動を象徴するものでもあります。子どもは恩物を通して、象徴的な思考を育み、精神的な世界へと導かれていきます。

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4. 母親による愛情と理解

フレーベルは、母親を「最初の教育者」として重視し、母親の愛情と理解に満ちた環境が、子どもの健やかな成長に不可欠であると考えました。母親は、子どもの自発的な活動を見守り、励まし、適切な援助を与えることで、子どもの自己展開を促します。また、歌や手遊び、物語などを用いて、子どもと心を通わせ、情緒的な発達を促すことも重要視しました。

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