## フレーベルの人間の教育の価値
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子どもの自発性を尊重する教育
フレーベルは、子どもは受動的な存在ではなく、生まれながらにして活動的で自発的な存在であると捉えました。そして、子どもが内面に秘めた可能性を自ら開花させていくことができるように、周囲の環境を整え、適切な援助を与えることが教育の役割であると考えました。
具体的には、子どもが興味や関心を示すものに触れ、自ら遊びを通して学びを深めていくことができるように、様々な工夫を凝らした教材「恩物(gaben)」を考案しました。恩物は、球体や立方体といった単純な幾何学的形態を基本としており、子どもの自由な発想や創造性を刺激するようデザインされています。
また、フレーベルは、遊びが子どもの発達にとって極めて重要であることを認識し、「子どもの仕事は遊びである」と述べています。遊びを通して、子どもは外界に関する知識や技能を身につけるだけでなく、想像力、創造力、思考力、協調性といった重要な能力を育んでいきます。
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幼児教育の重要性を説いた先駆者
フレーベルは、子どもが人格形成の基礎を築く幼児期における教育の重要性をいち早く認識し、1840年には世界初の幼稚園を設立しました。
幼稚園では、遊びを中心とした教育活動を通して、子どもの全人的な発達を促すことを目的としていました。具体的には、歌や遊戯、手作業、自然との触れ合いなど、多様な活動を通して、子どもの五感を刺激し、豊かな感性を育むとともに、身体的、精神的、社会的な発達を促しました。
フレーベルの提唱した幼児教育の理念は、現代の幼児教育にも大きな影響を与えており、子どもの自発性や創造性を尊重する保育実践の重要性は、世界中で広く認められています。