フォークナーのアブサロム、アブサロム！の面白さ
面白さ1：複雑に入り組んだ語り口
「アブサロム、アブサロム！」は、時間の流れを無視した語り、登場人物が入れ替わる語り、事実と解釈が入り混じった語りなど、非常に複雑な構成で物語が進んでいきます。 このため、読者はパズルを解くように、断片的な情報をつなぎ合わせていくことで、物語の全体像を掴んでいくことになります。 このような複雑な語りは、読者を物語世界に深く引き込み、飽きさせない効果を生み出しています。
面白さ2：南部史と家族史の融合
南北戦争とその後の南部の衰退を背景に、サトペン家という一族の興亡が描かれています。 サトペン家の歴史は、そのまま南部の栄光と挫折の歴史と重なり合い、普遍的なテーマを浮かび上がらせます。 読者は、サトペン家の栄枯盛衰を通して、アメリカの過去と現在、そして人間の業といった根源的な問題について考えさせられます。
面白さ3：人間の愛憎や欲望を描いた重厚な人間ドラマ
「アブサロム、アブサロム！」は、愛、憎しみ、野心、孤独、罪悪感など、複雑な人間の感情が渦巻く物語でもあります。 登場人物たちはそれぞれの立場や欲望、偏見に突き動かされ、愛憎劇を繰り広げます。 読者は、彼らの葛藤や苦悩を通して、人間の心の奥底に潜む闇や光を垣間見ることができます。
面白さ4：多様な解釈の可能性
「アブサロム、アブサロム！」は、読者によって解釈が異なる作品としても知られています。 これは、断片的な情報や登場人物の主観的な視点から語られる物語構成によるものです。 読者は、自分なりの解釈で物語を読み解き、登場人物の行動や心理について深く考察することができます。 このように、何度も読み返すことで新たな発見があることも、この作品の魅力と言えるでしょう。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。