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フェルミの原子核物理学講義を読んだ後に読むべき本

フェルミの原子核物理学講義を読んだ後に読むべき本

現代原子核物理学入門

エンリコ・フェルミの講義ノートをまとめた「原子核物理学」は、原子核物理学の基礎を築いた名著として知られています。しかし、記述が簡潔であるため、読者が詳細な説明や発展的な内容を求める場合もあるでしょう。そこで、フェルミの講義ノートを読み終えた後におすすめなのが、Kenneth S. Krane著「現代原子核物理学入門」です。

Kraneの教科書が優れている点

Kraneの教科書は、フェルミの講義ノートよりも詳細かつ包括的に原子核物理学を解説しており、現代的な知見も盛り込まれています。具体的には、以下のような点が優れています。

* **基礎から応用まで幅広くカバー**: 原子核の構造や放射性崩壊といった基礎的な内容から、原子核反応や天体核物理学といった応用的な内容まで、幅広くカバーしています。
* **豊富な図表と例題**: 概念を理解しやすくするために、豊富な図表や例題が用いられています。また、章末には練習問題も用意されており、理解を深めることができます。
* **現代的な知見を反映**: フェルミの講義ノートが書かれた時代から現在までに、原子核物理学は大きく発展しています。Kraneの教科書では、最新の研究成果や実験データも紹介されています。

具体的な内容

本書では、原子核の構造、放射線、原子核反応、素粒子物理学の基礎など、原子核物理学の主要なテーマを網羅的に扱っています。特に、以下のような内容について詳しく解説されています。

* **核力と核構造**: 原子核を構成する陽子と中性子を結びつける核力について解説し、殻模型や集団運動模型を用いた原子核構造の記述について説明しています。
* **放射性崩壊**: α崩壊、β崩壊、γ崩壊などの放射性崩壊の種類、エネルギー準位、崩壊定数、放射性壊変系列について解説しています。
* **原子核反応**: 弾性散乱、非弾性散乱、核融合反応、核分裂反応などの原子核反応について、反応断面積やQ値などの概念を用いながら説明しています。
* **素粒子物理学入門**: 素粒子の分類、相互作用、標準模型について概説し、原子核物理学との関連性を説明しています。

まとめ

Kraneの教科書は、フェルミの簡潔な講義ノートで扱われなかった内容を補完し、より深く原子核物理学を理解するための最適な一冊と言えるでしょう。豊富な図表や例題、練習問題によって、読者は自身のペースで学習を進めることができます。

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