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ヒルファーディングの金融資本論を読んだ後に読むべき本

ヒルファーディングの金融資本論を読んだ後に読むべき本

ルドルフ・ヒルファーディング『金融資本論』を読み終えたあなたへ

ヒルファーディングの『金融資本論』は、資本主義の深淵を覗き込むような、スリリングかつ知的な冒険をあなたに提供してくれたことでしょう。 彼の緻密な分析は、金融資本がいかに生産過程から遊離し、独自の運動法則に従って発展していくか、そしてそれが帝国主義と深く結びついていくかを鮮やかに描き出しています。

次のステップ:金融資本の深淵から世界システムへ

『金融資本論』を読み終えた今、あなたの知的好奇心は、さらなる高みへと向かっているのではないでしょうか。ヒルファーディングの分析は、20世紀初頭の資本主義を理解するための重要な視座を提供してくれましたが、それから100年以上が経過した現代の資本主義は、グローバル化と金融化が極度に進行し、ヒルファーディングでさえ予見できなかった複雑な様相を呈しています。

そこで、ヒルファーディングの分析を発展的に継承し、現代資本主義を理解するための視座を提供してくれる一冊として、イマニュエル・ウォーラーステインの『近代世界システム I:16世紀-18世紀資本主義農業経済とヨーロッパ世界経済』を挙げたいと思います。

ウォーラーステインが提示する壮大な歴史叙述

ウォーラーステインは、世界システム論と呼ばれる壮大な歴史観に基づき、16世紀以降の世界を、中心、周辺、準周辺からなる階層的な構造を持つ「近代世界システム」として捉え直します。

彼の分析は、資本主義を単なる経済システムとしてではなく、政治、文化、社会構造など、あらゆる側面を包含する「歴史システム」として捉え返す点において、従来のマルクス主義経済学の枠組みを大きく超えるものです。

ヒルファーディングとウォーラーステイン:二つの巨峰の接続

ヒルファーディングが分析した金融資本の論理は、ウォーラーステインの言う「中心」が「周辺」から剰余価値を収奪するためのメカニズムとして、より広い文脈に位置付けることができます。

例えば、現代の金融危機や国際的な格差の問題は、ヒルファーディングの金融資本論とウォーラーステインの世界システム論を組み合わせることで、より深く理解することができます。

世界システム論が解き明かす現代世界

ウォーラーステインの『近代世界システム』を読むことは、ヒルファーディングの分析を現代に接続し、グローバル資本主義のダイナミズムをより深く理解する為の知的冒険へとあなたを誘うでしょう。

それは、世界経済の不平等、国家間競争、金融危機、そして社会運動の興隆といった現代社会の諸問題を、歴史的な視点から読み解くための強力な武器を提供してくれるはずです。

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