## ヒルティの幸福論の思索
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幸福への険しい道
ヒルティは、自身の著作『幸福論』の中で、幸福は「何かをすることによって得られるものではなく、ある状態であることによって感じられるもの」という独自の視点から論を展開しています。彼は、幸福を掴むためには、外的な要因に依存するのではなく、自身の内面を耕し、精神的な成熟を目指す必要があると説きます。
具体的には、自己の欲望を抑え、理性に従って行動すること、高潔な精神を養い、利己主義を克服すること、そして、勤勉に働き、自己を向上させることなどを幸福への道筋として提示しています。
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苦難の克服と幸福
ヒルティは、人生における苦難を避けることはできないとし、むしろそれを克服することで真の幸福に近づけると考えます。彼は、苦難は人間を成長させ、精神的に強くする試練であると捉え、積極的に立ち向かうことを推奨しています。
そして、苦難を乗り越えた先にこそ、深い喜びと満足感が得られ、それが真の幸福につながると説いています。
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労働と幸福の関係
ヒルティは、労働を単なる生活の手段としてではなく、人格形成や幸福獲得に不可欠な要素と捉えています。彼は、労働を通して自己の能力を高め、社会に貢献することで、充実感と幸福感を得ることができると考えます。
また、怠惰は精神的な堕落を招き、幸福から遠ざかるとし、積極的な労働の重要性を強調しています。
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宗教と幸福
敬虔なキリスト教徒であったヒルティは、宗教が幸福獲得に重要な役割を果たすと考えていました。彼は、信仰心を持つことで、人生の苦難に耐え忍ぶ力を得られ、心の平安と希望を見出すことができると説きます。
また、神への愛と隣人愛の実践を通して、利己心を克服し、真の幸福に近づくことができるとしました。