## バーナード・クリックの政治の弁証の美
バーナード・クリックは、「政治における七つの信念」の中で、政治における美学的な側面、つまり「政治の弁証の美」について触れています。クリックは政治を「不完全な人間と不完全な素材による、決して完成することのない作品」と捉え、そのプロセス自体に美を見出しています。
政治の不確実性と葛藤における美
クリックは、政治における不確実性と葛藤こそが、この「弁証の美」を生み出す源泉だと考えています。政治は、常に変化する状況の中で、様々な立場や意見がぶつかり合いながら進んでいく動的なプロセスです。
この過程で、絶対的な正解や完全な解決策は存在せず、試行錯誤が繰り返されます。異なる価値観を持つ人々が、それぞれの正義や理想を掲げて議論し、妥協点を探っていく。
クリックは、このような不確実性と葛藤に満ちた状況こそが、政治を「生きた」ものとし、そこに美を見出すことができると主張しています。
政治における創造性と変化
政治の弁証法的なプロセスは、単なる混乱や対立ではなく、新たな価値や制度を生み出す「創造的な破壊」として機能します。
既存の枠組みや考え方にとらわれず、絶えず変化する状況に対応しながら、より良い社会を模索していく。
クリックは、政治におけるこの創造性と変化こそが、「政治の弁証の美」の核心であると捉えていると考えられます。