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バジョットのイギリス憲政論の対称性

バジョットのイギリス憲政論の対称性

バジョットの描く「尊厳的部分」と「効率的部分」

バジョットは、イギリス憲法を「尊厳的部分」と「効率的部分」の二つに分け、その関係性を論じています。

* **尊厳的部分:** 国王や貴族院といった、国民感情に訴えかける象徴的な側面を指します。国民の政治参加への意欲を高め、政治システム全体への支持を維持する役割を担います。
* **効率的部分:** 選挙や議会政治といった、実際に政治的意思決定を行うための仕組みを指します。国民の意思を具体的な政策へと反映させる役割を担います。

二つの部分の相互作用と均衡

バジョットは、これら二つの部分が相互に作用し、均衡を保つことで、イギリス憲法が効率的かつ安定的に機能していると説明しました。

* 「尊厳的部分」は、国民の政治への関心を高め、「効率的部分」への参加を促します。
* 「効率的部分」は、国民の意思を反映することで、「尊厳的部分」に対する信頼を維持します。

「隠された部分」の存在

バジョットは、明文化されていない慣習や先例もイギリス憲法の重要な要素だと考え、「隠された部分」と呼びました。

* 「隠された部分」は、「尊厳的部分」と「効率的部分」の円滑な連携を支えています。

対称性の概念

バジョットは、これらの要素が複雑に絡み合いながらも、全体として調和のとれたシステムを形成していると主張しました。この調和こそが、バジョットのいう「対称性」です。

* 「対称性」は、単なる均衡状態ではなく、各要素が相互に依存し、補完し合うことで成り立つ動的な状態です。

バジョットは、このような対称性を持ちながらも、時代とともに変化に対応できる柔軟性を備えていることが、イギリス憲法の強みだと論じました。

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