ハーバーマスの後期資本主義における正当化の諸問題の企画書
研究テーマ
後期資本主義における正当化の諸問題
研究背景
現代社会は、高度な資本主義経済と民主主義政治が共存する後期資本主義の段階を迎えています。この社会体制は、経済成長と物質的豊かさをもたらす一方で、経済的不平等、環境破壊、政治的無関心など、様々な問題を抱えています。
これらの問題は、社会システム全体の正当性に対する疑問、すなわち「なぜこの社会システムは正当化されるのか?」という根本的な問いを突きつけます。本研究は、この問いに対して、現代社会における正当化のメカニズムを分析し、その問題点を明らかにすることを目的とします。
研究方法
本研究は、ユルゲン・ハーバーマスのコミュニケーション論を主な分析枠組みとして用います。ハーバーマスは、社会秩序の維持には、強制力ではなく、コミュニケーションによる合意形成が不可欠であると主張しました。彼の理論に基づき、後期資本主義社会における正当化のメカニズムを、以下の3つの側面から分析します。
* **システム統合**: 経済システムや政治システムが、人々の行動をどのように調整し、社会秩序を維持しているのかを分析します。
* **社会統合**: 人々が、共通の価値観や規範を共有することで、どのように社会に統合されているのかを分析します。
* **正当化の危機**: システム統合と社会統合のズレから生じる、現代社会における正当化の危機を分析します。
これらの分析を通じて、後期資本主義社会における正当化の諸問題を明らかにし、より正当性の高い社会システムの構築に向けた課題を提示します。