ハロッドの動態経済学序説の企画書

世界恐慌後の世界経済は、失業と低成長に苦しんでおり、従来の静学的な経済学では、この問題に対する有効な解決策を見出すことができないことが明らかになっていました。経済学には、時間経過に伴う経済の動きを分析する、新しい理論的枠組みが必要とされていました。

本書の目的は、時間、成長、資本蓄積の関係を分析する、動学的経済学の新しい理論的枠組みを提供することです。特に、完全雇用を維持するために必要な経済成長率を決定することに焦点を当てます。

本書では、以下を含む新しい経済学的概念と分析を提示します。

* **保証成長率:** 完全雇用を維持するために必要な経済成長率。
* **実際の成長率:** 経済の実際の成長率。
* **資本係数:** 産出量を増加させるために必要な資本の量。
* **貯蓄性向:** 所得から貯蓄される割合。

これらの概念を使用して、保証成長率、実際の成長率、および経済の構造的パラメーター（資本係数や貯蓄性向など）間の関係を分析します。

本書は、以下を含む幅広い読者を対象としています。

* 経済学者
* 政策立案者
* 経済学の学生

本書は、以下の構成で展開する予定です。

**第1部: 静学的分析**

* 経済学における静学と動学の概念を定義する。
* ケインズ経済学の静的な枠組みをレビューする。
* 投資、貯蓄、および利子率の関係を分析する。

**第2部: 動学的分析**

* 経済成長の概念と測定方法を紹介する。
* 保証成長率の概念を導入し、その決定要因を分析する。
* 実際の成長率と保証成長率の違い、およびその影響について考察する。

**第3部: 政策的含意**

* 完全雇用を達成し、維持するための政策について考察する。
* 財政政策と金融政策の役割について議論する。
* 国際貿易と経済成長の関係を分析する。

本書の執筆は、以下のスケジュールで進める予定です。

* **第1段階:** 6ヶ月以内に第1部と第2部の草稿を完成させる。
* **第2段階:** 3ヶ月以内に第3部の草稿を完成させる。
* **第3段階:** 3ヶ月以内に全体的な見直しと編集を行い、最終原稿を完成させる。

* ケインズ、J. M. (1936) 『雇用、利子および貨幣の一般理論』
* ハンセン、A. H. (1938) 『ケインズ経済学概論』
* ドーマー、E. D. (1939) “Mr. Harrod and Instability,” The Economic Journal