## ハリントンのオシアナの面白さ
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共和国論の体裁をとった政治フィクション
「オシアナ」は、一見すると古代ギリシャの歴史家トゥキディデスを模倣した歴史書のような体裁をとっています。しかし、その内容は架空の島国オシアナを舞台にした政治フィクションです。
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理想と現実の対比
オシアナは、一見すると理想的な共和国として描かれています。知恵と徳を兼ね備えた指導者、平等な土地所有、腐敗のない政治体制など、当時のイングランドが抱えていた問題に対する解決策が提示されています。しかし、その裏には厳しい監視社会や情報統制といった側面も存在します。
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寓意に満ちた描写
作中には、オシアナの政治体制や歴史、文化が詳細に描写されていますが、それらは当時のイングランドの政治状況や社会問題を風刺的に反映したものとなっています。例えば、オシアナの建国者であるオルファウスは、オリバー・クロムウェルを暗示しているとされています。
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政治思想史における意義
「オシアナ」は、単なるフィクション作品を超えて、当時のイングランドにおける政治思想や社会状況を理解する上で重要な文献となっています。共和制、民主主義、自由主義など、現代にも通じる政治思想が議論されており、その後の政治思想史にも大きな影響を与えました.
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。