## ニーブールのローマ史の仕組み
ニーブールの生涯と著作活動
バルトホルト・ゲオルク・ニーブール(Barthold Georg Niebuhr、1776-1831)は、ドイツの歴史家、政治家、外交官です。彼は近代的な歴史学の方法論を確立した一人として知られており、特に古代ローマ史研究に大きな影響を与えました。彼の主著『ローマ史』(Römische Geschichte)は、古代の資料批判に基づいた画期的な研究として、19世紀の歴史学に大きな影響を与えました。
ローマ史の構成
ニーブールの『ローマ史』は、全3巻から構成されています。
* 第1巻は、ローマ建国から紀元前201年の第二次ポエニ戦争終結までを扱っています。
* 第2巻は、紀元前200年から紀元前133年のグラックス兄弟の改革までを扱っています。
* 第3巻は、紀元前133年から紀元前78年のスッラの死までを扱っています。
ニーブールは第3巻を完成させる前に亡くなったため、『ローマ史』は未完の作品となりました。
史料批判に基づいた歴史叙述
ニーブールの『ローマ史』は、古代の文献資料を批判的に分析することによって、ローマ史の初期の時代を再構成しようと試みた点で画期的でした。彼は、古代の伝説や伝承を鵜呑みにせず、史料の信憑性を吟味することの重要性を強調しました。
ローマ史初期の社会と政治の分析
ニーブールは、『ローマ史』の中で、ローマ初期の社会と政治の構造を分析しました。彼は、ローマ社会が貴族(パトリキ)と平民(プレブス)の二つの身分から構成されていたことを明らかにし、両者の間の政治的な闘争がローマ史の展開に大きな影響を与えたと論じました。
後世への影響
ニーブールの『ローマ史』は、19世紀の歴史学に大きな影響を与え、古代ローマ史研究の新たな時代を切り開きました。彼の史料批判の手法は、後の歴史家たちに受け継がれ、歴史学を科学的な学問として確立する上で重要な役割を果たしました。
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