## ナボコフのアーダに匹敵する本
### 複雑で多層的な物語構造を持つ作品
「ユリシーズ」 ジェイムズ・ジョイス
「ユリシーズ」は、1904年6月16日のダブリンを舞台に、主人公レオポルド・ブルームの一日を、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」を踏まえながら描いた作品です。意識の流れの手法を用いた複雑な文体、神話や文学からの膨大な引用、多様な語り口などが特徴です。複数の解釈が可能な多層的な物語構造を持ち、20世紀モダニズム文学の金字塔とされています。
### 言語の技巧を駆使した作品
「フィネガンズ・ウェイク」 ジェイムズ・ジョイス
「フィネガンズ・ウェイク」は、ジョイスの最後の小説であり、夢と現実、歴史と神話が混在する難解な作品として知られています。英語だけでなく、世界中の言語を駆使した造語や言葉遊びが特徴です。その複雑な言語表現は、従来の小説の枠組みを超えた実験的な試みとして、文学界に大きな影響を与えました。
### 禁断の愛と記憶をテーマにした作品
「失われた時を求めて」 マルセル・プルースト
「失われた時を求めて」は、語り手である「私」が、幼少期の記憶から現在までの膨大な時間軸を、意識の流れの手法を用いて描いた長編小説です。プルーストは、過去の記憶や感覚が、ふとした拍子に蘇ることを「不随意記憶」と呼び、これを作品の重要なモチーフとしています。また、作品全体を通して、失われた時間を取り戻そうとする試みが描かれ、愛と記憶、時間と芸術といった普遍的なテーマが探求されています。