ドッブの価値と分配の諸理論が関係する学問
経済思想史
ドッブの『価値と分配の諸理論』は、経済学、特に価値と分配の理論の歴史を辿ったものです。アダム・スミスやダヴィッド・リカードなどの古典派経済学者から、アルフレッド・マーシャルなどの新古典派経済学者、そしてカール・マルクスなどのマルクス経済学者まで、幅広い経済学者の考え方を紹介し、批判的に分析しています。
マルクス経済学
ドッブ自身はマルクス経済学者であり、本書の中でもマルクスの労働価値説とその後の展開について詳しく論じています。マルクスの価値論とリカードの価値論の関連性、マルクス経済学における搾取の概念、そしてマルクスの分配論などが主要なテーマとして扱われています。
近代経済学
ドッブは本書の中で、新古典派経済学の限界についても論じています。特に、限界効用理論に基づく価値論や分配論を批判し、労働価値説の優位性を主張しています。これにより、近代経済学における価値と分配の理論的問題点、そしてそれに対するオルタナティブとしてのマルクス経済学の可能性を示唆しています。