## ドゥオーキンの権利論の話法
ドゥオーキンは、法的論証における権利の重要性を強調し、独特の話法を展開しました。彼の議論は、主に以下の三つの柱に基づいています。
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権利は「切り札」である
ドゥオーキンは、権利を政策や公益といった考慮事項よりも優越する「切り札」と捉えています。彼は、個人が持つ権利は、たとえそれが社会全体の利益に反するとしても、尊重されなければならないと主張します。この考え方は、彼の「権利としてのトランプ」という有名な比喩に象徴されています。
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法的論証は「解釈的」である
ドゥオーキンは、法的論証は単なる規則の適用ではなく、むしろ過去の判決や法律の背後にある原理や価値観を解釈する活動だと考えています。彼は、裁判官は、過去の判例や法原則を最良に説明し、正当化するような形で、現在の事件に適用すべきだと主張します。
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「権利に基づく」解釈
ドゥオーキンは、法的解釈においては、「権利に基づく」解釈が重要だと考えます。これは、個人の権利を最大限に尊重し、保護するような形で、法律を解釈すべきだという考え方です。彼は、この方法によってのみ、法の道徳的正当性が確保されると主張します。
ドゥオーキンの権利論の話法は、法哲学において大きな影響力を持っており、現代の権利論争においても重要な視点を提供しています。