## デューイの経験と自然の技法
###
経験
ジョン・デューイにとって、経験は単なる知識の受動的な受け手ではなく、世界と積極的に関わり、その過程で成長し変化していく、ダイナミックで変容的なプロセスを指します。デューイは、伝統的な認識論では、主体と客体を切り離して考えていることを批判し、経験を、主体と客体、心と世界が相互に作用し、影響を与え合う動的なプロセスとして捉えました。
###
探求
デューイは、経験を理解する上で「探求」の概念を重視しました。彼にとって、探求とは、不確実な状況から出発し、問題解決に向けて試行錯誤を繰り返しながら、経験を通して世界についての理解を深めていくプロセスです。探求は、単なる知識の獲得ではなく、問題状況に対する能動的な働きかけと、その過程における経験の変容を含んでいます。
###
自然
デューイは、人間も自然の一部であると捉え、人間の経験を自然の過程の中に位置づけました。彼にとって、自然とは、機械論的な法則によって支配される静的なものではなく、常に変化し、進化していくダイナミックなプロセスです。人間もまた、自然の一部として、環境と相互作用しながら成長し、変化していく存在なのです。
###
連続性
デューイは、経験と自然の間には、断絶ではなく連続性があると主張しました。彼は、人間も自然の一部であり、人間の思考や行動は、自然の進化の過程から生まれたものであると捉えました。デューイは、伝統的な二元論的な考え方、すなわち、心と身体、精神と物質、文化と自然といった二項対立を乗り越え、経験と自然を統一的に理解しようとしました。